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売買契約書作成の基礎知識

契約書と契約

契約は、双方の合意があれば、それだけで成立します。
「売りましょう」「買いましょう」という合意があれば、たちどころに売買契約は成立し(民法555条)、「貸しましょう」「借りましょう」との合意があれば、もうそれだけで賃貸借契約は成立します。(民法601条

これを「契約自由の原則」といいますが、この原則の中には「契約締結方式の自由」が含まれています。
つまり、契約を結ぶ形式は各人自由であります。

従って契約書を作成しなければ、契約は無効だとか、契約書に調印をしていない以上、まだ契約は有効に成立していないという考え方は間違いということになります。

文書を作らねばならない場合

民法では上記のように口頭の契約と書面による契約でも契約としての法律上の効果には違いがありませんが、例外として次の場合には法律が契約書を作成することを規定しています。

民法のような広く社会生活活動に対して規定している法律を一般法といいます。
これに対して以下のようなある特定の社会生活活動に対して規定している法律を特別法といいます。
特別法がある場合は、一般法に優先して適用されるという事が定められています。

農地法
農地の賃貸借契約
建設業法19条
建設工事請け負う契約を締結するとき
割賦販売法4条
月賦販売契約を締結するとき
借地借家法
  • 存続期間を50年とする定期借地権設定契約を締結するとき(22条)
  • 事業用定期借地権設定契約を締結するとき(24条)
  • 更新のない定期建物賃貸借契約を締結するとき(38条)
  • 取り壊し予定の建物の賃貸借契約を締結するとき(39条)

上記以外は契約書を作らなくてもいいのか

民法に規定する双方の合意で契約が法律上成立しても、それを無視される場合はその証拠を示す必要があります。
この場合の対策として立会人が証言することと契約書を作成することが挙げられますが、公平な証拠としては、契約書の方が確実といえます。
 このように契約書は契約の成立とその内容を立証する最有力の証拠文書として作成するものです。

従って契約書を作成する重要ポイントとして次の点を明確にする必要があります。

  1. 契約の成立時期、有効期間を明記すること (詳細内容準備中)
  2. 契約の当事者を明確にすること (詳細内容準備中)
  3. 契約の趣旨、目的を明確にすること (詳細内容準備中)
  4. 契約の対象、目的物を明確にすること (詳細内容準備中)
  5. 双方の権利、義務の内容を明確にすること (詳細内容準備中)

契約書には、どこまで記載したらいいのか

例えば、売買契約書で、「売買契約に関する費用は、双方が等しく負担する」という(既に民法558条で規定されている)ことまで記載したら、契約書の内容は複雑多義にわたり、実用上不便なものとなります。

契約書は(既に法律で規定されていることを除き)必要最小限の事項だけを記載し、それでいて肝心な要点が記載されているのがよい契約書といえます。

先の例の「売買契約に関する費用」で双方が等しく負担する場合は記載不要ですが、「買い主が負担する」など法律の規定と異なった取り決め(特約という)を記載する場合は必要です。

ところで民法は、危険負担について債権者負担主義を採っています。例えば商品の売買で契約成立から引き渡しの間に自然災害等不可抗力により商品が毀損、滅失してしまった場合、買い主は商品がなくなっても約束とおり代金を支払わなければなりません。
これは売り主にとって都合のよい規定です。しかし、買う主がこの負担を避けるためには、特約条項を記載する必要があります。

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