財 産 |
評 価 方 法 等 |
宅地 |
- 宅地かどうかは、登記簿ではなく、実際の使用状態から判断。
- 評価は1画地ごとにする(例えば、土地の一部を自用で、残りは賃貸している場合はそれぞれが1画地)
- 評価方法は、路線価方式と倍率方式のいづれかによる。
- 路線価方式は、市街地にある宅地は、ほぼ路線価方式であり、路線価は路線価図で確認する。 評価額=路線価×宅地面積
- 倍率方式は、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて求める。路線価が定めてない地域の宅地は倍率方式になる。固定資産税評価額は評価倍率表に掲載されている。
評価額=固定資産税評価額×倍率
- 路線価図と評価倍率表はいづれも国税庁のHPに記載されている。http://www.rosenka.nta.go.jp/
- 居住や事業に使われている宅地は、小規模宅地等の特例で評価額が減額される。
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家屋(自用) |
- 家屋は、1棟毎に固定資産税評価額で評価。
- マンションは、1室毎に固定資産税評価額で評価。
- 建設中の家屋は、費用現価×70%で評価。
費用現価とは、課税時期までに投下した費用の額を課税時期の価額に引き直した額の合計額をいう。
- 家屋の付属設備は、家屋と分けて評価する。
- 家屋と構造上一体の付属設備:家屋に含めて評価
- 庭園設備:調達価格×0.7
- 門、堀などの付属設備:(再建設価格−経過年数による減価額)×0.7
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家屋(貸家) |
- 家屋の固定資産税×(1−借家権割合×賃貸割合)で評価。
- 借家権割合は、国税庁が定め、大阪などの一部の地域は40%であるが、一般的には30%。
- 賃貸割合は(賃貸されている各独立部分の床面積割合/家屋の各独立部分の床面積の合計)で評価。
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貸宅地 |
- 「借地権のある貸宅地」
自用地としての価額×(1−借地権割合)
- 「定期借地権等のある貸宅地」
- 原則
以下のAとBのうち、低い金額
A:自用地としての価額−定期借地権等の価額
B:自用地としての価額(1−定期借地権等の残存期間に応じた割合)
- 例外(一般定期借地権となっている場合、但し課税上弊害がある場合は原則による))
自用地としての価額−定期借地権に相当する価額
定期借地権等の残存期間に応じた割合とは
残存期間が5年以下 |
5% |
残存期間が5年超、10年以下 |
10% |
残存期間が10年超、15年以下 |
15% |
残存期間が15年超 |
20% |
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貸家建付地 |
- 自用地としての価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
- 借家権割合は、国税庁が定め、大阪などの一部の地域は40%であるが、一般的には30%。
- 賃貸割合は(賃貸されている各独立部分の床面積割合/家屋の各独立部分の床面積の合計)で評価。
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借地権 |
- 「借地権」は、自用地としての価額×借地権割合
- 「定期借地権」は、自用地としての価額×(a/b)×(c/d)
ここに
a:設定時に借地権者に帰属する経済的利益の総額
(これは権利金+保証金の経済的利益+差額地代の現在価値とする)
b:設定時のその宅地の通常の取引価額
c:相続時の残存期間年数に応じた基準年利率による複利年金現価率
d:設定期間年数に応じた基準年利率による複利年金現価率 である。
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貸家建付借地権 |
- 自用地としての価額×借地権割合×(1−借家権割合×賃貸割合)
- 借家権割合は、国税庁が定め、大阪などの一部の地域は40%であるが、一般的には30%。
- 賃貸割合は(賃貸されている各独立部分の床面積割合/家屋の各独立部分の床面積の合計)で評価。
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転貸借地権 |
- 自用地としての価額×借地権割合×(1−借地権割合)
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貸家建付転借権 |
- 自用地としての価額×借地権割合×借地権割合×(1−借家権割合×賃貸割合)
- 借家権割合は、国税庁が定め、大阪などの一部の地域は40%であるが、一般的には30%。
- 賃貸割合は(賃貸されている各独立部分の床面積割合/家屋の各独立部分の床面積の合計)で評価。
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農地 |
- 純農地:倍率方式(=固定資産税評価額×倍率)
- 中間農地:倍率方式
- 市街地農地:宅地比準方式又は倍率方式
- 宅地比準方式とは「その農地を宅地とした場合の価額−その農地を宅地に転用する造成費」で求める。
- 市街地周辺農地:市街地農地とした場合の価額の80%
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山林 |
- 純山林:倍率方式(=固定資産税評価額×倍率)
- 中間山林:倍率方式
- 市街地山林:宅地比準方式又は倍率方式
- 宅地比準方式とは「その山林を宅地とした場合の価額−その山林を宅地に転用する造成費」で求める。
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上場株式 |
- 次の価額で最も低い価額が評価額となる。
- 被相続人の死亡日の最終価格
- 被相続人の死亡月の終値の月平均額
- 被相続人の死亡月の前月終値の月平均額
- 被相続人の死亡月の前々月終値の月平均額
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気配相場のある株式 |
- 次の価額で最も低い価額が評価額となる。
- 被相続人の死亡日の取引価格
- 被相続人の死亡月の取引価格の月平均額
- 被相続人の死亡月の前月取引価格の月平均額
- 被相続人の死亡月の前々月取引価格の月平均額
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取引相場のない株式 |
- 会社の規模と株主取得者の態様により評価方法が異なります。
株式取得者の態様と用いられる評価方式
株式取得者の態様 |
評価方式 |
同族株主がいる会社 |
株主が同族株主に該当 |
取得後の議決権が5%以上 |
大会社 |
類似業種比準方式 |
中会社 |
併用方式 |
小会社 |
純資産価額方式 |
取得後の議決権が5%未満 |
中心的な同族株主がいない |
大会社 |
類似業種比準方式 |
中会社 |
併用方式 |
小会社 |
純資産価額方式 |
他に中心的な同族株主がいる |
中心的な同族株主や役員を勤めている |
大会社 |
類似業種比準方式 |
中会社 |
併用方式 |
小会社 |
純資産価額方式 |
中心的な同族株主や役員を勤めていない |
配当還元方式 |
株主が同族株主でない |
同族株主がいない会社 |
持ち株割合の合計が15%以上のグループに属する株主 |
取得後の議決権が5%以上 |
大会社 |
類似業種比準方式 |
中会社 |
併用方式 |
小会社 |
純資産価額方式 |
取得後の議決権が5%未満 |
中心的な同族株主がいない |
大会社 |
類似業種比準方式 |
中会社 |
併用方式 |
小会社 |
純資産価額方式 |
他に中心的な同族株主がいる |
中心的な同族株主や役員を勤めている |
大会社 |
類似業種比準方式 |
中会社 |
併用方式 |
小会社 |
純資産価額方式 |
中心的な同族株主や役員を勤めていない |
配当還元方式 |
持ち株割合の合計が15%未満のグループに属する株主 |
評価方式
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原則的評価方式 |
類似業種比準方式 |
類似する業種の上場会社の株価を基準に評価する方法 |
大会社で適用する場合、純資産価額方式との選択も可能です。 |
純資産価額方式 |
会社の資産などを相続税の評価基準に基づいて計算後、負債を差し引いて評価する方法 |
小会社で適用する場合、併用方式との選択も可能です。 |
併用方式 |
上記類似業種と純資産の方式を併用する方法 |
中会社で適用する場合、純資産価額方式との選択も可能です。 |
例外的評価方式 |
配当還元方式 |
株式から得られる1年間の配当金額を基準に評価する方法 |
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利付公社債 |
- 利付公社債は、その種類によって評価方法が異なります。
- 東京証券取引所などの金融商品取引所に上場されている場合
(課税時期の最終価格+(既経過利息−源泉所得税額))×券面額/100円
- 日本証券業協会で売買参考統計値が公表される銘柄として選定されている場合
(課税時期の平均値+(既経過利息−源泉所得税額))×券面額/100円
- それら以外の場合
(発行価額+(既経過利息−源泉所得税額))×券面額/100円
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割引発行の公社債 |
- 割引発行の公社債は、その種類によって評価方法が異なります。
- 東京証券取引所などの金融商品取引所に上場されている場合
課税時期の最終価格×券面額/100円
- 日本証券業協会で売買参考統計値が公表される銘柄として選定されている場合
課税時期の平均値×券面額/100円
- それら以外の場合
発行価額+(券面額−発行価額)×(発行日から課税時期までの日数/発行日から償還期限までの日数)×(券面額/100円)
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転換社債型新株予約券付社債 |
- 転換社債型新株予約権付社債は、その種類によって評価方法が異なります。
- 東京証券取引所などの金融商品取引所に上場されている場合
(課税時期の最終価格+(既経過利息−源泉所得税額))×券面額/100円
- 店頭転換社債として登録されている場合
(課税時期の最終価格+(既経過利息−源泉所得税額))×券面額/100円
- 上記以外で発行会社の株価が転換社債の転換価格を超えている場合
発行会社の株価×(100円/転換社債の転換価格)×(券面額/100円)
- 上記以外の場合
発行価額×(既経過過利息の額−源泉徴収額)×(券面額/100円)
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債権 |
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取引相場のあるゴルフ会員権 |
- 課税時期の取引価額×0.7
- 取引価格に含まれない預託金等がある場合は、その額も加算する。
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取引相場のないゴルフ会員権 |
- 株主でなければ会員となれない会員権
株式の評価額
- 株主であり、されに預託金等を預託しなければ会員となれない会員権
株式の評価額+預託金などの金額
- 預託金などを預託しなければ会員となれない会員権
預託金などの金額
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書画・骨董品 |
- 評価がしにくいものですが、つぎの評価額を参考に評価します。
- 売買実例価額
対象となった物が市場で売買される場合の価格や類似品が市場で売買される場合の価格
- 精通者意見価格
専門家の意見
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自動車などの動産 |
- つぎの価格を参考に評価します。
- 売買実例価額
対象となった物が市場で売買される場合の価格や類似品が市場で売買される場合の価格
- 精通者意見価格
専門家の意見
- 売買実例価額や精通者意見価額が分からない場合は
同種同規格の新品の小売価格−(製造時から課税時期までの償却費の合計または減価の額)
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預貯金 |
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生命保険金 |
- 非課税額(500万円×法定相続人の数)を超えた金額
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死亡退職金 |
生前退職金 |
弔慰金(業務上死亡) |
- 退職手当金等に該当する弔慰金の額で普通給与の3年分を超えた金額
- 普通給与とは、俸給、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当などの合計をいう
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弔慰金(業務外死亡) |
- 退職手当金等に該当する弔慰金の額で普通給与の半年分を超えた金額
- 普通給与とは、俸給、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当などの合計をいう
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生命保険等に関する権利 |
- 相続開始時に契約を解除した場合に支払われる見込みの解約返戻金の額
剰余金や前納保険料などが支払われる場合には、それらを解約返戻金に加えた額で評価する。
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債務 |
- 包括受遺者が負担するもので、確実なものでなければならない。
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葬式費用 |
- かかった費用のうち、葬儀費用として認められるものは、遺産総額から差し引くことができます
- 葬儀費用として認められるもの
- 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用
- 遺体や遺骨の回送にかかった費用
- 葬式、葬送、火葬、埋葬、納骨にかかった費用(仮葬式と本葬式がある場合はその両方)
- お通夜等の葬式前後に生じる費用で通常欠かせない費用
- お寺などに支払う読経料などのお礼
- 葬儀費用として認められないもの
- 香典返しにかかった費用
- 墓石、墓地の購入や借りるための費用
- 初七日や法事の費用
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贈与財産 |
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