住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人と新築住宅の売主に10年間の瑕疵担保責任を義務付ける法律。
売買契約や請負契約では、契約の対象となった物に欠陥があることが引き渡し誤判明した場合には、売り主や請負人は民法第638条等・民法570条の規定により、原則として損害賠償等の責任(瑕疵担保責任)を負う。
実際の請負契約・売買契約では、瑕疵担保責任を負う期間が通常「2年」などの短い期間であり、これが欠陥住宅問題の発生原因のひとつであると考えられた。
この対策として、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法)では「住宅を新築する建設工事の請負契約や新築住宅の売買契約では、請負人や売主は、住宅を引き渡した時から10年間にわたって、住宅の主要な部分に関する瑕疵担保責任を必ず負う」と規定し、住宅の注文者や買主を強く保護している(同法第87条・第88条)。
品確法のその他の内容は次の通りである。、
1)住宅性能評価書の作成
国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等、登録住宅性能評価機関に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。
住宅性能評価書には、設計住宅性能評価書(設計図により作成)と、建設住宅性能評価書(実際の検査により作成)がある。
2)住宅性能評価書の役割
住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買い主に引き渡す義務を負う(同法第6条)。
3)弁護士会による紛争処理
建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる(同法第63条)。
4)住宅紛争処理支援センターの設置
上記3)の弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターが設置され、具体的には国土交通大臣が「財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」を指定している(同法第78条)。
当センターの業務は、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用の助成、登録住宅性能評価機関からの負担金の徴収等である。
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