令和3年05月07日
おひとり様への旅立ち(死別)
平和な我が家に
4月7日深夜4時、ぐっすりと寝ている耳に電話がなっている様が気がしました。
慌ててベッドから飛び起き、電話機の前に立つと、今は音は鳴りやんだが、確かに受信した形跡があります。瞬間イヤな予感が走りました。
急いでリダイアルをすると「**病院です」と応答がありました。
それだけで、胸がはち切れそうになりました。
早速、病院に着き、ICUに行くと、妻の姿を見ました。
それを見た途端、私はフラフラっとして倒れかけ、そばにいた看護師さんが私の体を支えてくれました。
テレビなどで、恐怖などに遭遇した時人は立ち眩みをするのを見たことがありますが、ホントにそうなるのですね。
妻の姿は、目はうつろになり、何を見ているか分からない状態で、呼吸は荒く息苦しそう。見るからに重篤との状態が手に取るように分かります。
医者は、今までいた一般病棟からICUに変更しますとの事でした。
妻は、35年前に大腸がんの手術をしました。運よく一命をとりとめましたが、その時とんでもないお土産を頂きました。
C型肝炎です。
この肝炎の治療のため、インターフェロンという抗がん剤と同じ強烈な副作用を伴う治療を20年近く行いましたが、
数年前に「ハーボニ―」という特効薬が発明され、そのお陰でC型肝炎ウイルスは検出できない状態(寛解)までになりました。
私は、病気の原因であるウイルスがなくなれば、もう肝臓が悪くなることはないと全く安心していました。
現に妻は入院する前日まで老化防止のため、一日一万歩を目標に歩いていました。
ところが定期健診のエコー検査で肝臓がんが見つかりました。ガンは一個だけですので、手術による切除が最良の手段だという事で躊躇なく手術をお願いしました。
医者も、肝臓が充分手術に耐えうることを確認し、手術に入りました。手術により20%位は肝不全になる事があるが、その山は手術後3〜4日後までですとの説明でした。
術後5日も経過し、一般病棟に移っていますので、私は完治間違いなしと確信を持っていました。
それが術後6日目に当たる未明に突然の電話があったのです。
ここから思わぬ地獄が待っていました。
次回に続く