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売買一方の予約

予約とは、将来において売買契約を締結することを事前に合意しておくことを指します。これには、2つのタイプがあります。

1つは、将来改めて当事者が本契約を締結することを合意する必要がある予約です。この場合には、本契約を締結するか否かは、最終的には当事者の判断によりますが、予約に違反して本契約を締結しなかった場合は、予約不履行の損害賠償責任を問われます。

2つ目は、将来、当事者の一方が予約を完結して本契約を締結させる事を相手方が認める予約です。
この場合は、予約完結権を有する当事者が完結権を行使すると、相手方の承諾がなくても本契約が成立するものです。
これを「売買一方の予約」といい、民法556条で規定されているものです。

「売買一方の予約」が行われるのは、つぎのような場合があります。

例えばAがBに1,000万円を融資したとする。
この融資実行の際にAとBの間で「AとBは、B所有の土地をAが購入するという売買契約を将来締結することを合意する。Bの承諾がなくても予約完結権を行使するのはAである。」(言い換えるとAは、Bが融資を返済すべき時期に返済が実施されないときは、その予約完結権を行使することができる)という予約(これが売買一方の予約)を結んだとします。そうすると仮にBが融資を返済しなかったならば、Aは予約完結権を行使することにより本契約が成立するというものです。

このように「売買の一方の予約」を結んでおけば、融資が返ってこなくても、債権が保全されるということになります。なお「売買の一方の予約」における予約完結権は、仮登記をすることができ、売り主(例の場合では、B)が勝手に他に売却をすることを防ぐことができます。


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