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令和2年3月16日

遺産でトラブルを招かないために

 その後、お変わりありませんか。
先回、このメールをアップロードした時(2月初め)は、中国、武漢で新型コロナウイルスが発生して、まだ他の国に感染していませんでしたが、
今では世界にウイルスが拡散し、健康に対する不安と共に深刻な経済不況が懸念されますね。
次回にこのメールをアップロードする時にたとえ日本の発生ピークは過ぎていても、世界ではまだ収束していない恐れがあります。
早く収束しないとどこにも行けませんね。

私も後期高齢者になり、平均寿命で計算すると、あと5年生きているかどうかになっています。

この世から去るに当り、出来るだけ子供を含む皆さんに迷惑を掛けたくないと思うのは人情だと思います。
人が亡くなる前に、介護で他の人のお世話になることは、程度の違いがあっても誰にも避けて通れない事ですが、
それに加え死後、残った方々に迷惑を掛ける恐れのある事があります。

それは、亡くなる人全部に発生するわけではありませんが、遺産問題です。

遺産の取り扱いについては親は遺言を残す場合と、残さない場合が考えられます。
残さない場合は、それこそ相続人の間で骨肉の争いに発展する場合があります。
遺言を考えていない方に対しては、まず、遺言を残すことをお勧めするしかありませんが、
遺言を残しても、子供の間に憎みが発生し、親の没後、断絶状態になる事があります。

今回のこのメールは遺言を残しても相続人の間でトラブルを生じない為の方法について一つの提案をしたいと思います。


親が元気なうちは多くの親も子供も遺産の話は出しにくいと思います。
日々の暮らしにおいて、通常の家庭での会話は、学校、仕事、家事、近所の事とか世間話が主になっており、親は改めて財産の話は出しにくい面があります。
いわんや子供の立場から財産の話は関心はあっても親に聞くわけにはいきません。
子供が話を出せば、親は自分の死を子供が待っているなどと悪い方に考えるかもしれないと思うからです。
結局、子供は、親が亡くなり遺言を見て初めて親の意向を知る事になります。

初めて遺言を見た子供の立場に立ちますと、それぞれが自分の都合のよい方に予想しているのが殆どであり、
自分に割り当てられた遺産の比率は悪く、自分以外については妬みが生じます。
これは何故かといえば、親が生前子供に対してなんら自分の意思を伝えてなかった事と子供の理解を得ていなかった事に起因します。

そこで対策として親は元気なうちに、自分の意思を表示して子供に考えを伝え、子供の理解を得ておくことです。
ところがこれができない。

そこで私が提案したい一方法は、次のようなものです。

子供といっても、通常成人し、それぞれが家庭を持っている場合が多いと思います。
こんな時、複数の子供と一堂に会する機会は少ないと思います。
こんな時に考えられるチャンスは、年始年末かお盆くらいです。

このチャンスを使うのが手です。
親は予め、頭の中だけでもいいから自分の言いたい事をまとめておきます。
具体的な財産の金額とか、分割についてまで話を一気にするとトラブルのもととなります。時間をかける事です。

取り敢えず、大雑把な金融資産額、所有不動産の現状等と、もし相続割合について言及するなら「原則として民法に従って等分を考えている」とか。

自分の健康上の理由で結論を急ぐ場合は別だが、できれば次回話しする時は次の年末又はお盆とかに話に出します。
即ち、わざわざ遺産のために集まるのではなく、何かの機会をとらえて、それを利用するのです。

その間、「例えば不動産については、売却を私の生きているうちに行い現金化しておこうと考えているが、君たちはどう考えるか?」とか、
自分でまだ考え方が決まっていないことに関しては問いかけておきます。

子供は、この時の情報を基にいろいろそれぞれの立場で考えることになります。
そして、一年又は半年の時間があれば、それまでに聞いた情報が子供達の頭の中に浸透し、消化されます。

そして2回目の相談時には先回問いかけたことに対して、それぞれ子供の意見を聞き、参考にします。
これを数回繰り返しているうちに、遺産の取扱に対する概要がまとまり、
この結果に対する親と子供たちの認識は共通状態になり、子供の間の考え方も似たような状態になります。

こうすれば、親が他界したあとでも、子供の間のトラブルは低減されるはずです。

他に、もっと、いい方法があると思いますが、
あなたがご検討される際に少しでも参考になればと思います。

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