平成25年1月27日
初心
この言葉は先般、ノーベル・生理学、医学賞を受賞した京都大学 山中伸弥教授の発言の中によくでた言葉。
日本から多くのノーベル受賞者を輩出していますが、私は彼ほどその人間性の素晴らしさに感動したことはありません。
世界最高の賞に輝いても、全く威張るところなく、
それどころか受賞の成果を自分でなく協力者があればこそと言い、
これからが勝負と今の成果に満足しない。
更にこの授賞式に母親を同席させたことに至福の喜びを表す。
そしてips細胞を利用したい患者が一日千秋の思いで待っていることを患者の目線で語る。
私のような凡人にとって、彼は単なる科学者としてでなく人生の教師としても大いに見習うところが多々あります。
彼のような人が世界に認められることは同じ日本人として誇りに思います。
この話に関連して私の嫌いな中国のノーベル受賞者について言及したいと思います。
ご存知のように中国人の受賞者は劉 暁波(りゅう ぎょうは:平和賞受賞)を除いて誰もいません。
劉 暁波は、「国家政権転覆扇動罪」の受刑者。
中国政府が彼の受賞が決まった時に取った行動は、各国にノーベル賞授賞式への参加妨害、
訪中したノールウエー高官との会談キャンセル。
中国政府がとったこの対応は子供じみて世界の笑い者になっていますが、
一般の庶民の中では「なぜ、中国からノーベル賞受賞者が現れないだろうか」というもどかしさがあるようです。
この中国のノーベル賞事情と山中教授の受賞とを対比すると、まるで天と地の差があります。
GDPでは、日本は中国に追い抜かれましたが、その他の分野においてはまだまだ当分抜かれることはないようです。
12月15日付けの日経新聞に「シャープ2960人が今日希望退職」と記してありました。
彼らの中には優秀な技術者もいることから、その技術者を日本国内で雇用しようとする動きもあるようです。
液晶テレビは特に製造現場で特殊な技術を要することなく、単に労働力があれば立派な製品ができるようです。
このため、家電業界は韓国、台湾等の賃金の安い企業との競争に負け、実質的に液晶テレビ生産から撤退しました。
この上、シャープ退職者が韓国、台湾の企業に再就職したら…。
衆議院選挙が終わり、自民党の圧勝になりました。
国民の期待が大きかった民主党はあっけない結末になりました。
ところで民主党の惨めな結果を導いた主な原因として次の3つをあげてみたいと思います。
1つは、あの鳩山さんの粗末な言動。
就任早々、まず国際会議の場で根拠もなく「排出ガスを25%削減します」と宣言し、
更にアメリカ大統領に対し「Trust me」そして
極まりは「米軍基地は最低でも県外」。
どれをみても正常な感覚を持っている人なら考え及ばない言葉。
これで私はまず、望みを失いました。
2つめは、何でも反対グループが党内にいること。
会社なら、みんなで決めたことは自分の考えと異なっていても会社方針として従います。
一つにまとまるから事がなし得るわけです。
何を決めても反対、即ちまとまらない。
小学校の生徒会にも劣ります。
3つめは、やはり技量、経験不足が露呈した感じ。
特に外交において然り。
これも鳩山さんのアメリカ軽視の考えが起因して中国、ロシア、韓国から領土問題で好き勝手され放題。
まあ、民主党がお粗末に終わったのは民主党の責任であるが、国民にとって不幸なことがこれ以外にもあります。
その一つとして、当分の間、アメリカ・イギリスのような二大政党が誕生しないかもしれません。
仮に自民党が今後そつなく政策を遂行していった場合、対抗する政党が現れないのではと…思います。
そしてこれ以外にもう一つ大きな問題があります。
それは選挙制度です。
ご存じのように国民の自民党支持率は40%弱にしかないのに、獲得議席率は6割超にもなっています。
これでは国民の声が正常に反映されたとは言えません。
これらは国民にとってTPPとかデフレ対策という課題以外に存在する大きな問題だと思います。
それにしても野田内閣の解散宣言から1カ月余で円安、株高がビックリするほど進行しました。
景気も実は国民の気分に左右される要素が大きい点を考えると、この流れがいい方向に加速して
消費拡大につながれば万々歳と思うのですが…。
2012年ももうすぐ終わります。
来年も皆様及び会社にとって更にいい年でありますように。