平成24年8月2日
自民党が大勝
7月21日の参議院選挙で大躍進し、その反対に民主党が大敗しましたのはまだ記憶に新しいところです。
自民党の大勝はアベノミクスの影響が大でしょうが、あそこまで勝った他の原因に民主党の過去の醜態が大きく影響していると思います。
民主党の政権時代で今でも国民の記憶に残っているのは
まず、初めの首相を務めた鳩山さんの数々の愚行、
次に何でも党の執行部の動向に反対する小沢さんの政治行動。
前者は長年続いた自民党政権に辟易(へきえき)しており、新政権に大きな期待をしている国民に対して
大きな失望を与えました。
まず、出てきたのは何の根拠もない90年比CO225%削減発言であり、ついで例の沖縄基地県外問題。
理想的発想をそのまま口にする政治家として首相の未成熟発言。
更に除党後の参議院選挙直前に尖閣列島に関し「中国から盗んだものは返さなくてはならない」の発言が一層民主党のイメージを悪くしました。
後者の小沢さんは何事にも反対し、与党としては野党であった自民党を説得するよりもまず、身内の小沢グループの説得に殆どの時間と精力を奪われました。
これにより国民に植え付けられた印象は何にも決められない民主党のイメージ。
何をするのも各人が持論を挙げ、その結果党としての体をなさないことになりました。
この党の分裂状態を一層印象つけるものとして参院選挙中の菅元首相の党非公認候補者の応援。
この結果、私たち国民が失ったものは日本には「2大政党時代が当分の間ない」ということです。
懸念されるのは自民党が大勝したことを、自分たちの政治行動を国民が認めたと思い込むことです。
これにより、もともとの自民党の体質である派閥政治、政官業の癒着である鉄の三角形が復活することが心配されます。
2大政党ならば、野党に転落するのを恐れ、派閥政治、鉄の三角形は容易に復活しないでしょうが、
対抗野党がいないため、またあの古い自民党に戻ることが十分考えられます。
「政治は3流」がまだ当分続くのでしょうか。
7月19日付の日経新聞に私の懸念している記事が載っていました。
「電機退職者、アジアが食指 大量リストラ「宝の山」に中国BOE、技術顧問は三洋出身、印インフォシス、元日本IBMを採用」の見出しです。
この4〜5年でパナソニック、シャープ、ソニー等から解雇された人材は5万人を超すといわれています。
かって日本のリストラ人材を盛んに採用し今では日本の競争ライバルまでに成長した韓国企業の次のバターンが
中国、インドを含む他の東南アジアの諸国に拡がるのでしょうか。
会社の成長は「人、モノ、金」と言われています。
モノ、金は比較的短時間に手にすることができるものですが、人材は使い物になるまである程度の年数を要します。
これをいとも簡単に手にするにはパナソニック等のリストラ人材を採用することで解決されます。
これによる影響が現れるのはそう先ではないでしょう。
その時に悔やんでももう元には戻れません。
電機業界は自分で自分の首を絞めることをしているのです。
この自殺行為を電機業界以外の他の業界に波及するのを阻止するには現時点では「アベノミクス」の成功を願うだけです。
自国の経済が成長しない限り「企業の減益⇒従業員の解雇⇒他国のリストラ人材の採用⇒新興国への技術流出⇒新興国の低コスト企業の台頭⇒コスト競争⇒日本企業の減益」の
悪循環が続きます。
これにより「政治は3流」に留まらず「経済も3流」になってしまいます。
今年7月初めの猛暑は凄かったですがこれから夏本番の8月です。
お互いに健康管理に気を付けましょう。