平成24年9月08日
シャープ
シャープの激変振りには驚かされる。
まだ去年当たりでも「亀山ブランド」に輝きがあったと思うのだが。
それがなんと世界の下請け会社の鴻海精密工業(台湾)に頭を下げねばならないとは!
このシャープの破綻の原因は堺市につくった工場の巨大投資。
液晶の将来性を過大評価したのが主因とか。
現実は、シャープ製が技術的・性能上如何に優れていても一般消費者はそこそこ使えれば安い方を選択する。
この読みを誤ったといわれています。
製造会社は如何に技術的に優れていても経営者の判断ミスにより会社は破綻する。
これは破綻とまでいかなくても「あのソニー」が魅力ある会社から普通の会社になってしまった事にも通じます。
問題はソニーの時と同じように人員整理が行われ、これによって優秀な技術者が鴻海などに流れることです。
シャープの場合は鴻海の傘下になるならばソニー以上に技術の流出が懸念されます。
そもそも鴻海がこの短期間に一流製造会社になった陰には、
「退職後8年2ヶ月を経て」で記したようにソニーの技術者が解雇され、鴻海で働いていることが少なからず影響していると思われます。
今のデジタル技術時代では昔のように「伝統の技」などなくても立派に製品ができます。
それでも製造で一流になるには優秀な技術者がいなくては無理です。
今度シャープがもし鴻海の傘下になれば、優秀なシャープの技術、換言すれば日本で育てた大事な技術が今度は製造技術に収まらず
研究・開発技術まで流出することになってしまいます。
いわば製造会社の本丸まで明け渡すのです。
その影響はソニーの場合を超えます。
こんな時、他の家電メーカは救いの手を出さないのですかね。
他のメーカがシンジケートのようなものをつくり技術の流出防止のためにシャープに共同出資をすれば、
その金額は、もしそうしなかった場合の日本が受ける被害額に比べ遙かに少なくて済むと思うのですが。
これは最近の日本のテレビ産業が一気に衰退していった様をみれば一目瞭然です。
日本は今まで「技術は一流、政治は三流」といわれていても世界の先進国でいられましたが、
「技術は二流、政治は三流」となると先回のメールで記載した「少子高齢化」問題と併せて後進国入りが一層現実味を増します。
なお、日本のテレビ産業が衰退していった理由として上記に加えて「円高」が大いに影響をしていることが忘れてはなりません。
偶然かどうか定かでないですが、1ドルが100円を割って80円以下が継続しているのは民主党になってからです。
自民党は好きではありませんが、円高対策、即ち経済産業政策は民主党よりマシであったのかも知れません。
ところでこの破綻とは全く反対で国策が大いに成功した事例がありました。
少し時間が経ってしまいましたが、それはあのオリンピック。
オリンピックが日本にとって大成功で終わりましたのは、記憶に新しいところです。
メダルの数はアテネを抜き史上最高の38個。
凄いのはメダルの総数だけでなく、メダルをとった競技の数もアテネの10競技を抜き13競技です。
今までは柔道とレスリングなどの特定の競技でメダルを多くとっていたのが今度は数多くの競技でとれるようになったことです。
このように選手の実力が向上したのはご存知のように北京五輪前からオープンした
政府による強化施設と国家予算の増額です。
ここで感じたのは国の予算の影響力の凄さです。
スポーツに配分が少し増えるだけでその効果は相当なものです。
これだけ国の政策の力が凄いのであればシャープの技術流出対策にもっと真剣に取り組んでくれればと思います。
少し愚痴っぽいメールになりましたが
もう目の前に秋が来ています。
それまで夏バテにならないように気をつけてください。