平成27年4月30日
人工知能(AI),ロボット
私は人工知能(AI)やロボットの今後に極めて関心があります。
最近はこれらに関する話題が多く、例えばAIでは、囲碁の名人を相手に勝ったとか、
車は車自身が運転し、人間の運転操作が不用で走行するとか。
2020年には自動運転で高速道路を、また一部のメーカは一般道路も走行できる車が販売されます。
私も車の買い替え時期にきています。ところが私もいづれは運転技術が劣化することが十分予想されます。
これに応えるのが自動運転の車であり、発売が待たれる次第です。
団塊の世代が70歳代後半になると恐らく殆どの人はこの自動運転の車を選択、購入するのではないでしょうか。
一方、AIやロボットが進化すると人間の働き口がなくなるともいわれています。
確かに一定のルール、規則に従って行う職種は人間でなくてもロボットが代わって行うことが十分可能です。
例えばタクシーの運転、警備員の巡回、医療の画像診断、翻訳など。
CTなどで病巣を見つけるのは逆にロボットの方が人間の医師の1.5倍も優れているといわれています。
警備員で巡回をしていた人はその仕事自体がなくなるのだから、他の職種の技術を習得し、転職せねばなりません。
ところでこのAIやロボットと失業の問題は、日本と欧米とでは少し事情が異なるようです。
日本は少子高齢化により、今後更に人手不足が酷くなります。
これに対して欧米、特にヨーロッパは移民の問題もあり、失業率が10%以上で今後も改善の見込みはないといわれています。
これは、どういう事を意味するのかといえば、
欧州ではAIとかロボットによる産業改革は失業との関係でスムーズに社会に受け入れられないと思われる事です。
一方、日本は人手不足であり、ロボットなどにより人手不足が解消されるのであれば、
AI,ロボットは社会に受け入れられ産業界で活躍することが期待できます。
ロボットの活用をを前提に物づくりをした場合、中国に発注する価格の半分ほどのコストで済むという試算もあります。
ということは、少子高齢化は、日本の成長の足を引っ張っているようにいわれていますが、
逆にロボットの社会進出が外国より順調に進むことにより、輸出も有利になりGDP増大に大いに寄与するのではないでしょうか
政府は「一億総活躍社会 GDP 600兆円」を目標としていますが、これは並大抵のことではありません。
GDPは現在、世界第3位ですが、一人当たりでは27位だそうです。
1980年頃は一人当たりGDPが1位の時もあったのですが、30年以上かけ下落していったのです。
この間、国民の意識は大きく変わり、「海外での長期出張」「会社でトップに」という意識を持つ人は5%以下になり、
逆に「郊外でゆったりと」「仕事をしながら趣味に打ち込む」といった意識を持つ人が50%近くになっています。
日本が世界でトップであった頃と国民の意識は明らかに変わっているのです。
この意識を変えることはここ1,2年の話ではなく10年、20年の単位の話です。
5月の伊勢志摩サミット前後で政府は「600兆円」について具体的な施策を発表するでしょうが、
国民の意識に関わる内容であれば、その成果は10年後、20年後になるかもしれません。
こんな中、上記のAI,ロボットはこの国民の意識の変化とは関係なく進めることができ、比較的短期間でGDPの増大に貢献するものと期待しています。
三菱自動車の不正燃費表示問題は、ビックリですね。
2000年と2004年にリコール隠し問題で深刻な経営不振に陥ったにも関わらず、不正問題を起こすとは。
普通の会社なら一度不祥事を起こした場合、再発防止に全力で努めるものですが、これが3回も起こすとは。
私の関心はその原因ですが、完全に会社の体質といわざるを得ないでしょう。
今回の燃費偽装問題も1991年から行われていたとのことで、リコール問題が発生した頃は既に燃費偽装が行われていたことになります。
普通ならリコール問題が起きた時に燃費偽装の件も明らかにして膿を出しておくものと思いますが。
当時の燃費関係の担当部署は当然、法令基準に順守していないことは重々承知していたはず。
この時、なぜ、改めなかったか?
その原因の一つは、国交省の審査手順の抜け穴もあり、燃費偽装は見付からないと思ったのでしょう。
更に不正が続く要因として考えられるのが、風通しの悪さでしょう。
三菱自の技術者は対抗メーカのスズキやダイハツと比べて遜色のない優秀な人が多いと思います。
なんといっても三菱グループの会社ですから優秀な人が就職するでしょう。
しかし、三菱自はリコール問題の影響で長く赤字が続いており、且つ販売台数が少ないこともあり、
開発に係る技術者数、経費はスズキなどより少ないのではないでしょうか。
如何に優秀な技術者といえども少ない人員で十分な研究もできずに燃費の優れた製品はできません。
ところが「できない」とは言えない会社の風土があります。
その証拠に今回の燃費の件で共同開発にある日産から燃費疑義が指摘されたのが去年(平成27年)12月。
そして社内調査を経由し、品質担当の副社長に情報が届いたのが4月12日、社長が知るのが翌日の13日。
この間、半年近くもかかっている。
それからもう一つ考えられる要因は邪推ですが三菱グループの一員であることでないかと思います。
三菱自はもともと三菱重工の一部門であり、それが独立して三菱自になった経緯があります。
三菱重工は日本の工業を背負っているとの自負があるはずです。
その自負は三菱自に引き継がれ、法令と別の基準を設定して開発を進めることに抵抗がなかったのではないかと思います。
ところで今後三菱自はどうなるのでしょうか。
今後、会社が存続しても国民の心中から「また、いづれ偽装があるのでは?」との疑念が消えることはないでしょう。
それにしても、販売などにあたっている直接偽装に関係のない一般の社員の方はかわいそう。
販売店はカッコウ鳥が鳴いています。将来も不安です。
一生懸命働いてきた会社が反社会的会社となってしまうとは。
コンプライアンスはホント大事ですね。