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退職後11年 2ヶ月を経て

平成27年2月28日

「マッサン」

と言えば平成26年後半放送のNHK朝の連続テレビ小説です。

お仕事で勤務されている皆さんは見る時間がないかも知れませんが、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝とその妻リタをモデルにした物語です。

ドラマでは政孝をモデルにした「マッサン」とその妻エリーとの夫婦愛もみどころですが、サントリーの創業者をモデルにした鴨居商店の大将:鴨居欣次郎との関

わり合いも面白いところす。

マッサンは堅物の技術者であり、たとえ当時の日本人の口に合わなくても本場スコッチウヰスキーの香り、味にトコトン拘り続けます。

一方の鴨居の大将は、消費者に受けるものでないとダメということでスコッチウヰスキーの本来の香り、味には拘りません。


ところでニッカウヰスキーが今売れゆきが好調であることは想像に難くないところでしょう。

2014年の販売目標は前年比15.3%増のところ、「マッサン」効果でドラマの人気度が高まるにつれ9月は40%増の上方修正されました。

しかし、意外と知られていないのが海外での人気の上昇の凄さです。

ニッカウヰスキーの輸出量は2006年の1800箱に対し2013年は76千箱と、実に7年間で42%もの伸びです。更に2014年目標は前年比32%増の10万箱となっていま

す。


勿論海外では「マッサン」効果はゼロに近いでしょう。それではなぜそんなに好調なのでしょうか?


それは海外ではニッカはウヰスキーコンクールで素晴らし成績を獲得していることです。

2001年のワールド・ウヰスキー・アワード(WWA)で「シングルカスク余市10年」が世界最高点を得、国産ウイスキーでは史上最高点を獲得しました。

「竹鶴」もWWA2014年で世界最高のビューアモルトウイスキーとして認定されたとの事です。

その後、「余市」は毎年のように国際的な賞で受賞され、24回、「竹鶴」が19回受賞との事です。

日本国内のウイスキーの販売量ではサントリーの方がニッカを圧倒しています。

このサントリーとニッカの現状を見ているといかに創業者の思想が色濃く反映されているのが非常に面白い。

日本では鴨居の消費者重視の考え方が受け入れられ販売量では「サントリー」は「ニッカ」を圧倒し、海外では本物のスコッチウイスキーに拘った「マッサン」の

考えが後継者に忠実に受け継がれ、その成果が数多くの受賞の形となってコンクールでは「ニッカ」が「サントリー」を圧倒しています。

評価の観点は違いますが、いずれもそれぞれ素晴らし業績を残しています。

それにしても創業者の思考、いわば会社の思想・文化がいかに大切なものであるかを改めて認識した次第です。



今、ピケティ著の「21世紀の資本」という本が大爆発して売れています。

といっても700ページ以上に上り、価格は6000円弱もする大作です。

買おうか否か迷っているところです。

価格もさることながら、700余のページもあるとさすが途中で息切れして全部読破できるかどうか自信がないからです。

それでも巷の解説書から主旨のポイントは把握しましたが、その中で重要なポイントの一つ、

r<g については考えさせられました。

これは資本収益率rが経済成長率gより上回ることを指します。

資本収益率とは株とか不動産などのあらゆる資本から生み出される平均収益率を表し、

経済成長率とは所得や純生産の年間増加率、即ち国民所得の伸びを指します。

即ち、労働で働いて儲ける賃金の伸びよりも投資などによって得る利益の方が割が良いということです。

前者rの方が過去200年以上のデータで4〜5%であるのに対し、後者gは1〜2%といわれています。

このため資産をもっている人は益々富を増やし、貧しい人は貧しいままという格差の拡大が問題といわれています。

国家的見地からはこの格差是正が課題であり、世界的に対処してもらわないと益々IS(イスラム国)のようなテロ集団が増殖します。

一方、個人的見地からは自分だけは少しでも貧困の仲間に入らないようにしたいと思うところです。

先日、テレビを見ていたら私より少し若い年代で60歳で定年になった人たちの老人破産について放映されていました。

40歳代の時に東京郊外で通勤が1時間半かかる団地を当時5000万円以上で購入して、まだ住宅ローンが残っています。

今、生活が苦しくなったので自宅を売ろうとしたところ、時価が500万円という実に買った時の10分の1にまで低下してます。

理由のひとつに少子化問題も絡んでおり、通勤に1時間半もかかるところは誰も買わないためです。

これではたとえ自宅を売ったとしても年金支給額からローン支払い額を引いた残高は毎月マイナスになり貧困層に入らざるとえないというものでした。



「沈みゆく大国アメリカ(堤未果著)」という本によると貧困・格差の原因はアメリカの健康保険制度の不備によるものあり、

数年前まで中間層にいた人たちが貧困層に転落していく様が書いてありました。

主な国では今後少子化が進む事もあって、これからの世の中の経済成長は期待できません。すると一層格差の拡大が続きます。

現在では日本の格差は相対的に小さいのですが、いずれアメリカと同じ状況にならないとも限りません。

政治主導で対策が施されないと大変な世の中になるかも知れません。



いよいよ春になり、寒い朝の散歩から解放されます。

でもいやな花粉の時期にも入ります。

それでは又……。

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